蛇口の水漏れを見つけるとどう対応していいか分からずつい慌ててしまいがちですが、水漏れ箇所と原因が特定できればご自身で修理できたり、費用を抑えられる可能性があります。業者を探す前に、まずは応急処置と実際に水漏れを直す方法をご紹介いたします。
浴室の洗い場の蛇口・サーモシャワ混合栓水漏れ修理(動画)
TOTO開閉バルブの交換 TMJ40型開閉ユニットTH577・動画
- 偏芯管についている止水栓をマイナスドライバーで閉めます(水・湯)
- TOTOの部品箱に入っている施工説明書を見ながら分解・部品交換します
- 交換が終われば止水栓を開けて水漏れ確認
- TOTO開閉ユニットTH577
蛇口の水漏れ修理・水漏れの原因と修理方法をプロが解説!
蛇口から水漏れが発生した場合、冷静に応急処置を行うことが重要です。いきなり業者を探したり修理を試みたりするのではなく、まずは目の前の水漏れを止めます。
蛇口の水漏れ!まずは応急処置!
まずは止水栓を閉める
水漏れしている蛇口はお風呂、洗面所、キッチンなど、様々なシーンで考えられますが、いずれの場合も各蛇口の手前についている「止水栓」を閉めることでこれ以上の漏水を防ぐことができます。
水漏れしている場所の止水栓をピンポイントで閉めることで、他の蛇口は影響なく利用することが可能です。ほとんどの止水栓はハンドルを回す(ハンドル式)かマイナスドライバーを使って閉めることができます。
止水栓がなかったり一般の方には見つからなかったりする場合があります。水漏れがひどい場合は家の水道メーターの元栓を閉めます。
(お住まいによって様々ですので、場所をご確認ください。通常は、水道メーターの前後に設置されていますので、水道メーターの検針時にチェックしているところにあります。)
通常手で閉開できますが、普段使われない場合は固くなりやすいためスパナ等のお手持ちの工具を使用します。ご注意点として家全体の水の供給を一時的に止めることになるので、他の場所でも水が使えなくなってしまいます。また、元栓を止めても元栓から下流にある配管の中にある水がなくなるまでは、水が漏れつづけますのでご注意が必要です(水道メーターの針が回っていない状態になれば、配管内の水がなくなれば止まります。)
あくまで応急処置ですが、落ち着いて状況を確認するためにもいったん栓を閉めてしまうのが有効です。
マンション・アパートの止水栓を閉める場合
マンションであれば玄関ドアの近くにあるPSボックスの扉を開けると水道メーターの隣にバルブハンドルが見つかりますがこちらが止水栓となります。
マンションやアパートにお住いの場合、居住者の意思では閉められないこともありますので、管理人さんや管理会社などにお問合せ下さい。
マンションも戸建て同様に家全体の水の供給が止まりますのでご注意ください。
参考資料:止水栓や水道メータの位置と場所
洗濯機の蛇口は注意が必要!
洗濯機まわりは水漏れが一番多く発生する箇所です。特にマンションなど集合住宅の場合、階下へ水漏れすることがありますので、注意が必要です。
洗濯機の水漏れは、いくつかのケースがありますので、まず水漏れの原因を把握する事が先決です。
洗濯機の水漏れ調査
- 蛇口の水漏れ(締めると止まる)
- 蛇口の水漏れ(締めても漏れる)
- 蛇口と洗濯機のホース接続部分から水漏れ
- 洗濯機の排水の水漏れ(あふれ)
- 洗濯機本体からの水漏れ
洗濯機の水漏れトラブルへの応急処置
1は、蛇口を閉める
2は、家の元栓を閉める
3は、蛇口を閉める
4は、排水口の詰まりを確認する
※排水が詰まっていない場合、洗濯機のフィルターをチェック
5は、洗濯機本体のメーカーへ連絡または洗濯機本体の交換を行う
洗濯機から水漏れが確認されたときの応急処置になります。水が止まったことを確認してから修理を行います。
蛇口水漏れはどうやって修理する?
水漏れの原因は、ほとんどの場合パーツの「経年劣化」です。
水漏れ箇所が分かれば、どのパーツが傷んでいるかおおよその判断ができるため適切な修理方法を確認することができます。ここからは具体的な修理の手順をご紹介いたします。
水漏れ箇所を確認する
まずは「蛇口・水栓の種類」と「どこから水漏れしているか」の2点をご確認ください。
A~Eの水漏れ箇所に応じて修理に必要な工程が異なります。
水漏れ箇所を修理する
パイプの先から水漏れする場合、蛇口の中にあるコマパッキン(ケレップ)と呼ばれる部品が傷んでいます。ケレップは金属部とゴムパッキン部で構成されていますが、本体を丸ごと交換する方法と、パッキンだけを付け替える方法の両方があります。本体を「節水ケレップ」に付け替えると節水効果が見込めます。
パイプの根本から水漏れする場合
パイプの根本から水漏れしている場合、パイプ接合部のパッキンが傷んでいます。
可動部なので痛みやすく、比較的水漏れが起こりやすい部位です。
ハンドルの根本から水漏れする場合
ハンドルの裏にある三角パッキンが劣化しているため交換します。
一緒にワッシャーも交換する必要があります。
蛇口と取付口の間から水漏れする場合
蛇口と配管の接続部から水漏れしている場合、シールテープが劣化しています。
蛇口そのものを取り外してシールテープを巻き直す必要があります。
パイプの先から水漏れする場合(シングルレバー混合水栓)
シングルレバー混合水栓の場合、湯と水を混合するカートリッジ(バルブカートリッジ)の定期的な交換が必要です。
水漏れ修理に便利な工具
モンキーレンチは、ナットやボルトを締めたり緩めたりするのに必須のアイテムです。スパナでも代用できますが、頭のサイズを調整できるモンキーレンチでないとボルトやナットにダメージを与えてしまうケースがあるため、モンキーレンチのご使用をおすすめします。
ネジを回す作業が必要になる場合、精密ドライバー一式の出番です。ハンドルの形状やネジの大きさによって使用する種類にそれぞれ違いがありますので、プラス・マイナス1本ずつあると何かと便利です。
蛇口の修理では小さなパーツを扱いますので、ピンセットがあると便利です。
特に、蛇口の内部にあるパッキンやナットなどを拾い上げるときに大活躍します。
蛇口自体を取り外す時に使う専用の工具です。
蛇口と壁の間から漏水している場合などに必要になります。馴染みのない工具ですが、ホームセンターで購入できます。
水漏れ修理の手順で出てきた工具です。
全てが必要になるわけではないので、修理工程に必要な工具のみ事前に揃えておきましょう。
水漏れを予防するために意識するコツ
水漏れそのものを防ぐことは難しいですが、普段の生活の中で意識すれば予防だけでなく蛇口の寿命を伸ばすことにも繋がります。水漏れ時に早く気づくためにも、日々のメンテナンスは欠かさないようにしたいですね。
ハンドルを強く締めすぎない
蛇口水漏れの原因でもっとも多いパッキンの摩耗は、レバー・ハンドルを無理に締めすぎることでも発生します。水が垂れてこないところまで締め込んだら、それ以上締める必要はありません。
水道料金が上がってきたら要注意
トイレのロータンクの中や、家の見えない部分の配管のつなぎ部分なども経年劣化で発生しやすい漏水箇所です。ポタポタの水漏れでも、24時間漏れていますので、水道料金は目に見えて変わってきます。
水道代が上がったなと感じたら、各蛇口やその止水栓、トイレの水漏れです。便器の水たまりに少量の水が流れつづけていないか確認をおすすめします。
それでも分からない場合は、水道メーターのパイロットを確認してください。とてもゆっくりですが、メーターが回っている場合は漏水の可能性があります。
交換工事を依頼した方が良い場合は?
蛇口の種類や状態によっては、ご自身で修理を試みずプロに交換を依頼した方がいいケースもあります。
蛇口設置後10年以上経っている場合
目安として、設置後10年以上経過している蛇口に関しては、パーツを交換して修理を試みるよりも本体の交換工事を依頼した方が効果的です。
使用頻度にもよりますが、蛇口の寿命はおおむね10年とされます。
古い蛇口は、本体が痛みやすくなっているため修理にリスクが伴い、取り替え時に他の部品を傷つけてしまったり、他の箇所から漏水させたりする可能性があります。
センサー式蛇口の場合
手をかざせば水が出るセンサー式蛇口(タッチレス水栓)に関しては、プロにお任せください。
精密機器のセンサーを内蔵しているため、分解したことが原因で故障する可能性もあります。
水漏れの原因が特定できない場合
特定できない場合は、いよいよ修理業者の出番です。
知らない業者を呼ぶのは不安ですよね。
一番のおすすめは友人知人に知っている業者が無いか確認することです。
そういった修理業者が見つからない場合は、その地域の水道局に電話をし、地元の指定業者を紹介してもらうのもおすすめです。
自分で修理するのが不安な方
蛇口修理をご自身で行う場合は、比較的DIYに慣れている方向けです。
蛇口修理に使う工具は、DIYを行う方なら既にいくつかお持ちだったり、同系統の工具で代用したりといった工夫ができますが、DIYを行わない方が修理のためだけに買い揃えるのは少し非効率です。
また、各種部品の調達も見極めが難しく、不要な部品を注文してしまったり、逆に必要な部品が足りず注文し直し……など、結局プロに頼むよりも手間も費用もかかってしまう場合も。
※ 修理に失敗して被害が拡大するリスクもありますので、日曜大工やDIYを行わない方は最初からプロに交換工事を依頼する方が無難と言えます。
まとめ
蛇口の水漏れの対処法についてご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
水回りのトラブルでも特にご相談が多い蛇口の水漏れですが、簡易なものであればご自身で十分に修理可能です。特にDIYのお好きな方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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